FateEX_LE 8話

さてはこれまでの闘いで余計な荷物でも背負わされたな

ならば唐突だが、天才について語ろう

天才とは優れた才能、能力を持つ者を言うのではない

いや、当然その辺りは欲しいが才能があるだけでは唯の才人だ

敵を斬ることに特化したこれと変わらない

では、天才とは何か

それは自分と他人の違いを明確に知る者だ

人間は互いの能力を比べながら、根底では「自分たちは同じ」と依存してしまう

だが、残念ながらそれは無い

人間は誰であれ違うのだ

自分に出来ることは決して他人には叶えてもらえぬこと

そして他人に出来ることは決して自分には届かぬこと

天才とは、そこを残酷に分かつ者をいう

余は万能の天才だが、余の仕事と同じものを他人に期待することは無かった

同時にどれ程の才に欠けたものであろうと、その者を真似ることは出来ないと知っていた。

人間は皆、最終的に自分と他人は同じものと考えたがる

なぜならそれはとても素晴らしいことだからだ

満ち足りた、暖かなものだからだ

皆が分かり合え、価値観を共有し、手を取り合えるのならそれが最良の営みだと夢に描くからだ

だが、現実はそうではない

それぞれに役割があり、それぞれに欠点がある

他人を信じるのは良いことだ、だがその前に自分と他人は違うものであることを覚えて欲しい

無理に大きなことをせずともよい

そなたはそなたの出来ることを

余は余の出来ることを

それはこの世界で各々にしか出来ぬことなのだ